2/19(日)

最近読んだ本の感想まとめ。

麻野涼、「悪い女」。最近よく読んでいる麻野涼。途中から展開が読めた、あと生き別れの子供〜の展開が、同じ作者の違う作品でまったく同じ展開があったのがちょっと気になったが、最終的にいい話になって良かった。しかしやはり途中の展開もうちょっとなあという気持ちは無くもないが、まあ許容範囲。

有栖川有栖、「鍵の掛かった男」。ミステリというかヒューマンドラマ。そして私はヒューマンドラマがすきなので大変満足。展開はゆっくりだが、しかし少しずつヒントが出て謎が解けていく様は読んでいて心地良かった。全715頁という中々の長編だったのが、正直気にならなかった。いや長いとは思ったが。ちょいちょいお気にいりのシーンも出来たので、折を見て読み返そう。

城平京、「虚構推理短編集 岩永琴子の密室 」。いつも通りの虚構推理。個人的には過去作ほどのインパクトは無かったかなあ。最後の中編も途中で展開が読めるものだった。しかし読みやすさは相変わら流石という感じでまあ次に期待。長編と短編交互に出る位のは大変良い。

麻野涼、「予断捜査」。引き続き麻野涼。これは正直色々雑でうーんという感じだった。社会派ミステリーか。色々無理ないかなあ。あと中央から来た経験の無いエリートが地方の刑事にけちょんけちょんにされる展開がちょっとお腹いっぱい。好きな人は好きなんだと思うが。流石にワンパターン感が…。

浅倉秋成 、「ノワール・レヴナント」。超能力的な力が使える4人の学生が一箇所に集められて、それが何故なのかを探る、という物語。SFとヒューマンドラマの間位か。超能力部分は完全に舞台装置で、それを授けた存在が何故それを出来たのか的な説明は一切無し。どうやって会場抑えたりホテルとったりしたんや、という謎などはあるがその辺りは完全に舞台装置で、メインはヒューマンドラマなんだろうなあ。説明がちょっとくどい部分があったりしたが、少しずつ謎が解けていく過程は大変良かった。ラストも大変すっきり終わって読後感良かった。はじめて読む作者さんと思っていたがそんな事なかった。「教室が、ひとりになるまで 」読んでたね。「教室が、ひとりになるまで よりはこっちの方が良かったなあ。あと「ショーハショーテン!」の原作者だったか…。こっちは大分驚いた。作風、多芸だねえ。

賽助、「君と夏が、鉄塔の上」。青春! って感じ。舞台がきっと浦和周辺なので、なんとなく風景が想像出来るところが多くて良かった。しかし物語はよくある流れで、うーん、意外性は無かったかなあ。そいうのを期待する作品ではないと思うのだが。もうちょっと展開にひねりが欲しかった。